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「僕は、人が死ぬ事は悲しくないんだよ。
でも、僕に関わった人が死ぬ事は、悲しいんだ。
自分勝手だろう?
僕に関係のない誰かが死ぬのなんて、どうでも良いのに……僕に関わった誰かが死ぬのは、ひどく悲しいんだ。
それは、僕が彼らのことを、何一つ理解できなかったという結果が残ってしまったからなんだ」
「理解できなかった……?」
「そう、理解できなかった。
僕には、彼らの気持ちが全く分からない。
どいつもこいつも、荒唐無稽で支離滅裂なんだよ。
何が言いたいのかちっとも伝わってこない。
僕は――なにも、彼らの事をわかってあげられなかった。
それが、悲しいんだ」
そんな事で悲しんでたら、この世は悲しみだらけだ。
理解なんて出来ない事ばっかりなんだから。
私がそう言うと、そうだねと彼は頷く。
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