水無月 問題編

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 雨が窓ガラスにぶつかって音を立てる。 無数の水滴は人混みみたいにノイズを生み出す。 似たような音をランダムにリピートすれば、ノイズにしかならない。 同じ様に考えれば、日常はノイズそのものなのかもしれない。 なんて考えながら、確かに、と自分に同意した。  退屈な日常のあらゆる情報は、確かに、大半が不要だ。 そして、貴重で有益な情報も、ノイズに塗れて気付けない。 だったら、外から受け取る情報なんて、本当は不必要なのかもしれない。  どっちでもいいけど。  不必要だろうと、必要だろうと、人間がそういう風にできているのは、どうしようもないことなんだけど。
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