159人が本棚に入れています
本棚に追加
〈遥サイド〉
財布をカバンにしまいながら、遥は走っていた。
カバンには大量のお菓子が詰め込まれ、まるまると膨れ上がっている。
遥(そういえば犬飼はなんで私より早く店にいたんだろうな。
ちゃんと夕食食べたのか……?)
重いカバンに振り回されながらも近道の路地に入り、旅館まで後少し。
遥(そうか、栄養採ってないから低血圧で眠くなるんだな)
一人で頷きながら勝手な想像をしていたその時、
バサッ!!
遥「うっ!!?」
いきなり袋状の物を顔に被せられ、腕を引っ張られる。
抵抗するが、相手は男でしかも複数だ。すぐに袋の中にキツい匂いが充満し、遥の意識が飛ぶ。
男達は慌ただしく遥を車に乗せ、その場を後にした。
路地には膨れ上がったカバンだけがコロコロと転がっていた……
最初のコメントを投稿しよう!