月下の邂逅

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〈遥サイド〉 財布をカバンにしまいながら、遥は走っていた。 カバンには大量のお菓子が詰め込まれ、まるまると膨れ上がっている。 遥(そういえば犬飼はなんで私より早く店にいたんだろうな。 ちゃんと夕食食べたのか……?) 重いカバンに振り回されながらも近道の路地に入り、旅館まで後少し。 遥(そうか、栄養採ってないから低血圧で眠くなるんだな) 一人で頷きながら勝手な想像をしていたその時、 バサッ!! 遥「うっ!!?」 いきなり袋状の物を顔に被せられ、腕を引っ張られる。 抵抗するが、相手は男でしかも複数だ。すぐに袋の中にキツい匂いが充満し、遥の意識が飛ぶ。 男達は慌ただしく遥を車に乗せ、その場を後にした。 路地には膨れ上がったカバンだけがコロコロと転がっていた……
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