19人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の朝、ぼくがベッドの上でまどろんでいると、廊下からもの凄い勢いで走る音がした。
どうやらこっちに向かってきているようだ。
嫌な予感がする。
というか嫌な予感しかしない。
そしてその予感は見事に的中してしまった。
「うわあああああアキくううううん!!!」
どんどんどんどんどん!
部屋の外にやってきたワイン野郎が、ひたすらぼくの名前を呼びながらドアを叩いてるけど完全無視。
朝からあんな奴の相手なんかしてられないよ…。
そして暫く二度寝の体制だったぼくが、あまりにも煩いから目が覚めてしまったから着替え始めた時、
「てりゃあああああ!」
なんてアホっぽい台詞を吐きながら、あろうことかアルケインはぼくの部屋のドアを切り刻んだのだった。
おいおいこいつ何してくれてんのここぼくの部屋だよ?
信じられないこの葡萄野郎。
バラバラに散ったドアだった木屑の中から現れたアルケインにぼくは掴みかかった。
「ねぇアルケイン君は馬鹿なのかなぁ朝からドタバタと煩いしぼくの最高の幸せである二度寝を妨害してくれるし?しかもあろうことかドアまで粉砕してくれちゃってさぁ取り敢えず死のうか、うんそれがいい」
ぼくはそういいながらアルケインの剣を奪い取り目の前に突き付けた。
「ちょちょちょちょっと待って君僕が死なないって事知ってるじゃん!」
「なら5000回程刺してあげようか?」
「やっ止めて痛いのは嫌!というかそれどころじゃないんだよー!」
「はぁ?ぼくの安眠妨害及び器物破損がそれどころだって?余程刺されたいんだね」
「ちがっそれは謝るから!それよりこれ見てよ!」
「ああ?」
アルケインが指差したのは自分の頭。
それに生えている…猫、耳?
+
最初のコメントを投稿しよう!