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「ネフィー、治す方法知らないかな?その猫耳」
「余が知る訳ないだろう。というか知っていたらとっくにこんな物とはおさらばしている!!」
ネフィーは猫耳を軽く引っ張りながら言う。
それもそうだ。
一国の主がこんな姿だったら民に示しがつかないし。
しかし、ネフィーがあてにならないというと…
「……やっぱりメリ様にしか頼めないなぁ…」
「そうなるね…」
「じゃあアルケイン、覚悟決めて行こうか」
「うん…」
「じゃあネフィー、また後でね」
ぼくは鬱々とした空気を纏いながらうなだれるアルケインを連れて、ネフィーの部屋を後にした。
所変わって医務室。
今日は戦が無いんだけど、メリ様ならここに趣味の為に篭ってそうだ、と予想をつけて来てみた。
「メリ様ー」
軽くノックすると、思いの他早くメリ様が出て来てくれた。
少し乱れた髪を手櫛で整えているところをみると、実験でもしていたのだろう。
「なんだ、アキかい。あんたが来るなんて珍しいね、怪我でもしたのかい?」
「いや、ちょっとメリ様に聞きたい事があって」
「?」
不思議そうにしているメリ様の前に、頭を(というか猫耳を)両手で押さえているアルケインを押し出す。
「手離す」
「うう…分かったよ…」
観念したアルケインは手を離し、その頭に生えた猫耳を晒す。
「これなんだけど、メリ様治し方分かる?」
返ってきたのは、意外すぎる言葉だった。
「ああ分かるよ。だってあたしが作ったんだからねぇ」
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