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昔昔のネクロス城の庭---
その真中で泣いている、小さな子供の姿があった。
「うわああああ"あ"ちちうええええ!」
それは、まだ3歳のネフィリムだった。
どうやら迷ってしまったらしく、父を呼びながら泣き続けていた。
と、そこに近づいてくる一つの影。
「…ん?あー、ちび王子だー」
「あっアキ…っ!」
「なぁに君、泣いてんの?」
「うっうるさい!ないてなどおらん!」
「嘘つけー。まだ涙出てるぞ」
「…っないてなど、おらん」
肩を震わせながら必死に涙を止めようとするネフィリムを見て、アキは溜息をつきながらしゃがみ込み、彼と目線を合わせた。
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