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生物室に入ると、怪しげな機械があった。様々な線が複雑に入り組んでおり、周辺のコンセント全てにプラグが差し込まれている。上部分はパラボラアンテナのような形をしたものが取り付けられている。おそらくここから超音波を発生させるのだろう。
誰もいないよな?
その機械を隈無く調べてみた。
裏側に電源ボタンがある。
俺は躊躇せずに、電源を入れた。
「ビビビッ。ウォームアップチュウデス。シバラクオマチクダサイ」
この機械喋るのか。
「あなた、何をしているのですか?」
ああ、神田先生だ。今にも怒り出しそうな赤い顔をしている。
「私の宝物にけがれた手で触れないで下さい」
「毎日洗ってますぜ」
「うるさい。早く席に着きなさい」
授業開始時間となり、神田先生が話し始めた。
「えー、まずは私がこの機械を作成するまでのプロセスを話しましょう」
「早く実験しろ」
「話なんてどうでもいい」
「黙りなさい」
生徒たちは早く実験を見たくて仕方ないようだ。
俺も早く見たいが、声を出すのが面倒なので黙っていよう。
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