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「滝川那奈(タキガワナナ)です!!」
なんで、毎回大声なんだ…。
「わ、わかった。んじゃ、ここで待っとけ。」
再び人混みに入る俺。
「滝川はどこだ…?お?あったあった。」
どうやら俺と同じクラスだ。俺は報告すべく、人混みをなんとか脱出した。
「見つかったぞ~。」
「あ、ありがとうございます!!」
腰が折れるかもしれないくらいに頭を下げる彼女。
上げた顔を見ると、爽やかな微笑みがそこにあった。
かわいいなぁ…。
「い、いいってことよ。」
何故か胸の奥が締め付けられるような感覚に襲われた。
不思議に思ったが、特に考えもしなかった。
「それで、何組でしたか?」
おっとそうだった。
「俺と同じ2組だったぞ。一緒に教室行くか?」
「いいんですか…?」
「なんか1人にしたら心配だしな。」
「ありがとうございます!!」
再び頭を下げる彼女。
「んじゃ、行くか。」
「はい!!」
また爽やかな微笑みをする彼女。胸が締め付けられる。
こうして俺達は自分たちの教室へ向かった。
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