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─どさっ
「うぎゃ」
「うわっ」
乱暴に床に転がされ、白虎に至っては潰れたような声を出す。
「おや、どうしました?」
ここは青龍の間、四神の頭領的な存在である彼の自室。
「こいつらまた家を燃やした」
「なんと……」
玄武からの報告に、悲しそうな顔をする青龍。
ふたりの縛を解かせ、自分の前に正座させると、自らも姿勢を正して向き合う。
「ま、頑張りな」
人の悪そうな表情をして玄武は部屋を出ていく。
「何度言えば良いのですか?仲良くしなさいとあれ程───」
─お説教が始まった。
彼の説教はただひたすらに長い。
怒鳴るようなものではなく、優しく、延々と。
愛ある説教なのだ。
途中でうたた寝でもしたら偉いことになる。
まあ、彼らは眠る必要がなく、趣向として睡眠を取るのだが。
「朱雀、お前は力の制御をするべきです」
「こいつが避けるからいけねぇんだ」
「白虎も、朱雀を怒らせないようにしなさい」
「僕何もしてないもん」
「もし誰かを傷つけていたら人間界はすぐに環境が変わってしまうのですよ?いいですか、例えば──」
((長え………))
ふたりは溜息を噛み殺した。
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