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「スピード出すぅ!?」
「うんっ!!!」
あの後…
皆に促され
断り続けたにも関わらず
単車を目の前まで乗り付け
「お手をドウゾ
お嬢さん」
と 例の太い声で言われた私は
思わず
「自分で乗れますから」
気づけば後ろに乗っていた。
そして憧れの単車に乗った私は
誰にも止められない程
テンションMAXやった。
ケツに着けられたタンデムバーを握り
風を感じてた私に
「腹持って~!」
と 奴は言った。
「大丈~夫~!
タンデムあるし~!」
「結構スピード出るから!
腹持って~!!」
【スピードが出る】
その言葉に嬉しくなった私は
ガバッと奴の腹にしがみついた
その瞬間 気付いてしまった
人のケツに乗って
前の人の腹を持ったのは
初めてだというコトに
【腹を持つ】という行為は
思いの外 体が密着するのだ
ウブな私の心臓は
ZⅡに乗ってる という意味と
違う意味でも 早くなった。
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