殺人兵器となる日

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「どうして、そんな悲しいことを言うの……?」 博士は、しばらく何も言わなかった。 瞳を閉じ、何かを考えているようだった。 そして突然意を決したかのように、私に向かって問い掛けた。 「……君は、幸せだったのかい?」 私にはその問の意図が掴めなかったが、素直に答えた。 「幸せ……、だったはずよ」 博士はそれを聞くと満足げに頷き、こう言った。 「……うん。やはり君は気が強い。初対面で睨まれた時のことを思い出すよ」
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