殺人兵器となる日

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殺人兵器……? アンドロイド……? 人体改造……? 冗談じゃない! 私はまさか……今からまさにそれをされてしまうっていうの?! いや……そんなの絶対に嫌だ……!! 私は拘束されて不自由な身体で暴れまわる。 いや、いや、いや!! 誰か助けて!! お父さん! お母さん! ――その時だった。 外の明るい光が、突然私の目を襲った。 ……眩しい……!! 私は思わず目を閉じる。 どうやら、部屋の扉が開け放たれたようだった。 それと同時に、白い白衣を着た男が部屋の中に入ってきた。 男は艶やかな短い髪を掻き上げながら、私に儚い笑顔を向ける。 「……なんだ、今回の犠牲者は、随分若いな」 男は二十代後半くらいだろうか。鼻筋の通った美しい顔立ちをしていた。……私は、そんな男を容赦なく睨み付ける。 男はそんな私の態度に少なくとも驚いたようだったが、さしてうろたえることもなく、ゆったりとした口調で私に声を掛け続けた。 「気の毒だが、僕には僕の人生がある。悪いが僕の好きなようにさせてもらうよ」
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