殺人兵器となる日

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ふいに、男は笑った。 子供のような、無邪気な顔で。 「……はは、流石はアンドロイド。力が凄まじい」 「……はあ?!」 私は男の態度に拍子抜けして、思わず手を離してしまった。 その途端男は、苦しそうな咳を繰り返した。 ふと男の胸元を見ると、服が裂けてボロボロになっていた。 ――私……、服が破れるほど力入れたっけ……? そんな風に男の服を見て呆然とする私に、男は笑いながらこう告げた。 「……筋肉も特殊なものに改造したからね。君は今、人並み外れた最強の力を手にしている」 「え……?」 「……それにしても、嬉しいよ。君には人として当然の感情が、きちんと在るんだね。……よかった」 男は本当に嬉しそうに、目を細めて笑う。 「謝って済む話じゃないけど、さっきは本当にすまなかった。 ……あの改造室には監視カメラが付いているから、ああやらざるを得なかったんだ」 男はそう言って、私の頭を撫でた。 頭を撫でられたのなんて何年ぶりだろ…… 記憶がきちんと無いからあまり分からないけれど、決して不快なものではなかった。
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