二鬼

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昌浩「あったっけ?」 「確か今にも崩れそうなのが 幾つか合ったはずだ」 『お姫が来た屋敷を出て左に 曲がってすぐのボロ屋敷だよ』 地面に別の雑鬼が器用に書いて いく。 お世辞にも上手いとは言えない だが理解するのは充分だった。 昌浩「あの屋敷?」 「そこにお前達が見た奴が いるんだな?」 『おいらそこを寝床にしてた から間違いないよ』 蛇の雑鬼が自信満々に言い放つ 他の雑鬼達も同意する様に 必至に頷いている。 六合『どうする?』 昌浩「とにかく行ってみよう 危なそうなら一旦、引く」 「得策だな」 二人と一匹は顔を見合わせ 一つ頷くと昌浩は立ち上がった 昌浩「お前達は車の輪の所に 行って大人しくしてなよ?」 『孫ありがとう』 『流石、孫だな』 『孫は頼りになるなぁ』 持ち上げる様に言う雑鬼達 もちろん昌浩は 「孫言うな‼」 と怒ったがそんな事はお構い なしだ。 雑鬼達は言われた通りにする為 車の輪が居る一条の戻り橋に 向かった。 それを最後の一匹まで見送ると 昌浩はボロ屋敷に向かった。
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