二鬼

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程なくしてボロ屋敷には着いた だが気配が無い。 だが呼吸音が二つボロ屋敷から 聞こえて来た。 昌浩「何か居るのは確かみたい だね」 「下手に突っ込むのはまずい」 六合『騰蛇』 六合が短く物の気に声を掛ける その声音は固い物だった。 「なんだ」 六合『何かおかしいとは 思わないか?』 「確かに だが異質な者がいる」 六合『………あぁ』 昌浩はずっと無言で屋敷の中を 見つめていた。 一匹と一人は辺りを警戒しつつ 昌浩にも気を配った。 一方の原因の二人はと言うと 「外に一人と一匹 いや二人と一匹か?」 「………スゥスゥ」 「一人は人間だな 後のは………解らん」 「………スゥスゥ」 外にいる昌浩達に気付きながら 慎重に窺っていた。 紅髪の方は爆睡していて全く 起きそうに無い。 「まぁ入って来たらちょっと 脅かせば良いかな♪」 「んっっっ」 「っっっと 紅鬼の安眠を邪魔すると 危ないからなぁ 出来れば入らないで欲しいな」 紅鬼「………スゥスゥ」 一人事を呟く蒼髪の男 入口である門の方を見ながら 溜め息を小さく付いた。
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