二鬼

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『それより聞いてくれよ』 『そうだよ』 『また何か怖いのが居るんだ』 ピョンピョンと跳ねながら言う雑鬼 言い合いを止めいかぶしげに 顔をしかめるとしゃがみ込み 目線を下げる。 昌浩「怖いのって?」 「また異邦の妖異か?」 『違うよ💦』 『何て言うかあれは💦』 『鬼みたいなのだったよな?』 身を寄せ合いながら雑鬼達は 昌浩を見ている。 六合は無表情のまま辺りに 気を配る。 昌浩「鬼みたいなの?」 『そうだよ』 『鬼と人間みたいなのが並んで 歩いてたんだ』 必死になって言う雑鬼達 中には怯えているモノもいる。 昌浩「でも一度もそんな気配 しなかったよね?」 「あぁ 俺は感じなかった 六合はどうだ?」 六合『俺もだ』 辺りに気を配りながら言う六合 鬼の気配を感じないのか眉間に シワを寄せている。 『何とかしてくれよ』 『怖くてオチオチ遊んでられない』 「お前達の誰か一匹でも居場所 を知ってる奴はいるか?」 『お姫が来た屋敷の近くに ボロ屋敷があるだろ?』 口を開いたのは蛇の形をした 小さめの雑鬼だった。 身体が細かく震えていた。
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