1005人が本棚に入れています
本棚に追加
出勤時間まで昼寝しようと思ったが、寝付けないのでダラダラ過ごした。
ファブりまくったスーツを着て髪型をワックスで整え、ケータイで香水の使い方を検索してその通りにやってみた。
うん、知恵袋は便利だな。
支度を整え、家を出た。
3日も同じルートを辿れば、緊張感は消えて慣れてくる。
気になるとか寄ってみたいとか、そんな店をチェックする余裕も出てきた。
駅に着いて電車に乗って、あっという間に新宿にたどり着く。
フレイムに向かう途中、まだ時間もあるし、軽く何かを食べる事にする。
多分、一番腹が減る時間帯は外でキャッチをさせられるだろうしな。
…それじゃスタバにするかな。
目を付けたスタバを眺める。カウンター席はひとりだけで、そんなに混んではいないみたいだ。これならすぐ食べれるだろう。
スタバに近づくにつれ、ふと気づいた。
よく見てみると、カウンター席に座っている客は…柊斗だ。
ボーッと外を眺めているが、俺には気づいていないらしい。
よし、話しかけてみるか。
俺はスタバに入り、レジで注文する前にカウンター席の柊斗の背後へ回った。
「…おーっす、柊斗。」
柊斗は一瞬体をびくつかせて、慌ててこちらに振り向いた。
驚かせてしまったか?
「お、おぉ。幸村じゃん!」
…笑顔で応えてくれたが、なんだか顔色が悪いような気がする。
最初のコメントを投稿しよう!