1005人が本棚に入れています
本棚に追加
「隣、座る?」
「うん。」
「じゃあ、注文してきなよ。席はとっとくからさ。」
言われた通り、俺はレジに向かう。テキトーにサンドイッチを取り、テキトーにコーヒーを頼む。
注文した品を受け取り、柊斗が待つ席へ戻る。
トレイをテーブルに置き、椅子に座った。
「どう?ホストの仕事。大変っしょ。」
柊斗に聞かれる。
「そうだね…でも、楽しいかも。」
未知なる世界を探検している気分ではある。
「でもピンドン一気とかスゲーね。あれ多分、フレイムの伝説のひとつになると思うよ。」
それを改めて聞かされると、張本人としてはスゲー恥ずかしいです。
「あれは…自分でも調子乗りすぎたと思う。」
ため息混じりに呟くと、柊斗はハハッと笑った。
「でも俺、幸村は人気ホストになると思うよ。」
「そうかなあ。人気ホストとかは、あまり自信ないなー。」
俺はコーヒーを一口すすった。
サンドイッチを食べるタイミングが掴めない。
「あ、それ食べなよ。空きっ腹でキャッチは辛いからさ。」
「うん。一個いる?」
「や、食べたばっかりだからいーよ。」
柊斗のお言葉に甘えて、サンドイッチにかぶりつく。
「俺、美容師の専門学校に通ってるんだ。今度幸村にスタイリング教えてあげるよ。」
それはありがたい。
「うん、頼むよ。柊斗のヘアスタイルかっこいいもんね。」
「年内にはマスターしてよ。俺、そろそろホスト上がると思うから。」
最初のコメントを投稿しよう!