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「ちょっとすいませぇーん!お聞きしたいんですけど!!」 だんだん近づいてくる男は、丁寧語だがドスがきいている野太い声で話しかけてきた。 目は一重で切れ上がっている。睨み付けているようにも見えるが、元々の顔付きなのかもしれない。 こいつ、堅気には思えない。 驚いた柊斗の顔は、そのままひきつってしまっている。 「フレイムって店の客に、美里奈さんっていますよねぇ?」 美里奈? あれ、なんか聞いたことある名前だな。いつ、どこで聞いたっけ。 「美里奈?美里奈は…。」 柊斗が呟いた。 知ってる名前か? 「あんた、美里奈さんのこと知ってるの?もしかして彼氏とかか?」 聞かれた柊斗は、男と目を合わさずに俯き、小さくコクリと頷いた。 「あのさ、美里奈さんのことでお話があるんですよぉ。彼氏さんだったら、聞いてもらわないとマズイんすよ。ちょっとそこまで一緒に来てもらえませんかね?」 柊斗の顔は青ざめているが、男についていくかどうか迷っているようだ。目線が泳いでいる。 「柊斗、早く店入らないと遅刻だよ?」 「関係ねぇ方はちょーっと、黙っててもらえませんかねぇ!?さぁ、すぐそこだからさ、行きましょうや。」 俺の話を遮った。威圧感たっぷりに。 この男についていけば、まずい事になりそうな予感がする。 どうするんだ、柊斗?
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