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俺たち3人は店に入った後、奈良代表はキッチンへ、柊斗と俺はロッカールームへ入った。 どうでもいいが、代表キッチン好きだな。しょっちゅういるが、何してるんだろう。 「幸村、ごめんな。変なことに巻き込んじまってさ。」 「いや、大丈夫。俺の通ってた高校はあーいうのチラホラいたしね。」 「そ…そっか。」 柊斗はロッカーの扉に付いている鏡の前で、髪型をチェックしながら苦笑いした。 「あいつら、また来るかな?」 細い黒のネクタイを締めながら、ふと、疑問に思ったことを呟いてみる。 「俺のところはともかく、美里奈の方が危ないな…。どうしよう…。」 柊斗の顔色が悪くなる。…スタバで見たときも悪かったが、これが原因だったのかな。 突然、ロッカールームのドアが開いた。 振り返って見てみると、奈良代表がいる。 「柊斗、佐藤のところへ行け。幸村、お前は外に出ろ。」 「はい。」 「…はい。」 …すごく嫌な予感しかしない。 俺も、あのチンピラみたいに木刀でお仕置きされるのだろうか…。 胃の辺りがキリキリするが、覚悟を決めて、外に向かう奈良代表の後を付いていった。 外に出てみると、伸びていたチンピラはいなくなっていた。 「…幸村。」 「はい!」 緊張で声が上擦る。 グーパンを覚悟したが、俺の予想に反して奈良代表はドアの前にしゃがみこんだ。 ? 「10年…、いや、20年はえぇんだよ。」
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