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朝礼が終わり、みんな散らばって行く。
一番下っ端の俺と後二名は、トイレ掃除に向かった。
トイレ掃除の道具を取り出す途中、後の二名…名前は確か、昴と龍之介が何かを話していた。
「ねね、ホスラバ見た!?」
「何?なんかあった?」
「こないだ、柊斗にピンドン入れた客のスレ見っけたんだけどさぁ…。あっ、幸村!」
「はい!何ですか?」
いきなり話をふられて、ボロいダスターを取り落としそうになる。
「悪いけど、女子便よろしくね!そんでさ、柊斗のホンカノらしいんだけど、デリ嬢で仕事でも裏でヤリまくりらしいね!」
「えーマジでぇ!?ギャハハ!俺っちはいくらなんでも、そーいう女は色止まりだよねぇー!ホンカノは風以外なら何でもいいけどぉー。」
どーでもいいが、ギャル男っぽいしゃべりをする龍之介の声がでかすぎる。
聞いていてあまり気持ちいいものではないので、俺は女子トイレに入った。
個室と洗面台が四つもあるから、意外に時間がかかる。
だからここはふたりで掃除なのに、あいつらは揃って楽な男子トイレに行ってしまった。
まぁいい、ちゃっちゃと済ませよう。
…トイレブラシで便器の中をゴシゴシ擦っているとき、昴が言っていた『柊斗のホンカノのスレ』が気になってくる。
それって多分、あのチンピラが言っていた美里奈って人のことだろう。
職業柄、いつでもポケットにケータイが入っているから調べることはできるだろうが…。
『ホスラバ』とやらを検索していたら、トイレ掃除が間に合わない。
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