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「タラタラ走ってんじゃねぇよ!早く来いっ!」
………何様ですか。
この傍若無人の先輩は。
「ちょ、ま、……はぁぁぁ……」
もう既に単語にすらならない言葉を発し私は話すのを諦め溜め息を吐いた。
「んなハエが止まりそうなスピードで走っときながら溜め息なんかつくな。」
「…………はぁ、先輩……もう空気が汚れるので喋らないで下さい。私も喋りませんから……」
そう言うと先輩は「どういう意味だコラァァァ!」とか怒鳴るし……。
うん……まぁ、そのままの意味ですよ。などと言ったところで多分何も変わらないだろうから敢えて何も言わないでいることにした。
そんな私を尻目に先輩はどこからかチューインガムを取り出し包み紙を取り外しチューインガムを口に加えた。
「早くしろよ」
先輩は口に加えたチューインガムを上下に揺らし私を見下してくる。
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