12人が本棚に入れています
本棚に追加
覚醒して一番最初の情報は、音だった。
パタパタと忙しそうな速さで、あるいはのんびりとした歩調で、複数の足音が行ったりきたりしている。
同時に、近くに誰かがいる気配。
ゆっくりと目を開けた途端、飛び込んできたのは真っ白い天井。
壁も電気も一面真っ白な見慣れない部屋は、独特の雰囲気を持っている。
すぐ側の誰かが、息を飲む気配がした。
「…**さん!!**さん、気がついたんですかっ!?」
大きな瞳が、驚きに見開かれている。
誰だろう。
…っていうか、**って誰?
第一、俺の名前は――…
……あれ――?
俺の名前は……
――何だ……?
最初のコメントを投稿しよう!