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「――目覚ましたのかっ!?」
多分この人の声を聞きつけたのだろう、複数の足音が走ってくるのが聞こえた。
そして騒ぎを起こした張本人はというと、何があったのか、今にもこぼれ落ちそうなくらい目に涙を溜めている。
…けど、はっきり言って、全然面識がない人物だった。
だから、聞いてみたんだ、けど。
「君は………誰?」
俺が相手に尋ねるのと、ドアが開くのは、全く同じだった。
そして。
「……え…?」
相手の顔が固まるのと、あんなにドタバタとうるさかった足音が止まるのも、ほぼ同時だった。
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