初めての戦場――執事系編

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「いい? つまりあたしたちはこの国境にある『オビニオン砦』に行くのよ。ここでの総大将は名目上はあたしよ。王族だしね。でも実際に指揮をとるのはアスカ、貴女がするのよ」 「俺は?」 「アンタはあたしの使い魔でしょうが。問答無用で着いて来るのよ。まあ、戦況が悪かったらアンタも戦場に行ってもらうけど、基本はあたしの護衛よ」 「何故アミリア様自らが戦地に行かれるのです? それはあまりにも危険過ぎます!」 「あたしがお父様に志願したのよ。前線がどうなってるのか知りたいってね。お父様も何か思う所があったんでしょ、アスカと亜希を連れてくって言ったら許可してくれたわ」 「しかし、前線は危険です! アミリア様が行く必要は……いえ、行っては行けません。命の保証が無いのですよ!」 「危なかったらアスカが守ってくれるんでしょ? それに亜希もいるし、大丈夫よ」 「そ、それは……そうですが、しかし……私がいつもアミリア様の側にいれる訳ではありません」 「だから亜希がいるんでしょうが。それにこれはもう決定したことよ、今更変えられないわ。亜希もわかった?」 「概ねは。要するに俺はアミリアを守ってりゃいーんだろ?」  
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