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俺の部屋の隣にあるセシルの部屋に入る。当然ノックなんかしない。
ガチャッ、という音と共に扉が開く。中を覗くとセシルはゴスロリ服を――脱いでいた。
俺は今女な訳だし、セシルもそういうの気にしない性質(たち)かと思ってたのに。
「きゃあぁぁああ!!」
……あれ、なんかデジャヴュ?
意外なところで女の子だったのね。
「お前さあ、何? なんでそういうところだけ無駄に女の子なわけよ。悪魔じゃなかったのか? ん? そこんとこどーなのよ。いや、そもそも悪魔に性別とかあんのか? テメーのその姿は悪魔のデフォな姿なんですか。それとも仮面ライダーばりのメタモルフォーゼでもしてるんですか」
「あれ、亜希君? 途中で論点すり変わってない?」
俺が部屋に入った後、ソッコーでパジャマに着替えたセシルは今はベッドに腰掛けていた。俺は立ったままだ。伝えること伝えたらさっさと帰る予定だし。つっても隣の部屋だけど。
「変わってねーよクサレ悪魔。俺の話の論点は最初から今までずっと『悪魔っ娘は萌えるかどうか』だ」
「もはや言葉が通じてるのかどうか怪しいよ!? しかも何、そのテーマ!? 今亜希君の目の前にその悪魔っ娘がいることをわかって言ってんの!?」
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