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「いやいや、お前あれは魅音じゃなくて詩音だろ。魅音のふりをした詩音なのであって、魅音がヤンデレな訳じゃないんだよ。というか、俺はヤンデレ談議をしに来たんじゃねーんだよ」
そう言うと、セシルは以外そうな顔をした。
え? 何その顔。そんなにおかしいのか?
「だったらなんの話をしに来たのさ。さすがに私も今から寝ようとか思わないから、なんでも話してみなさい」
「え? なんで急にお姉さん面し始めたの? 今更年上ぶったってなんにも変わんねーぞ」
「…………」
「何故黙る!?」
もうコイツめんどくさいな。そして俺もなんかめんどくさい。さっさと済ませよう。
「三日後にオビニオン砦に行くことになったから。もちろんテメーも来るんだぞ。拒否権とかねーぞ……というか、わかるよな?」
セシルは、俺の言葉に一瞬表情を変えようとして、止めた。それから居住まいを正して(ベッドに寝転んでいたのを、ベッドに腰掛ける態勢にした)、真面目な表情になった。
「一瞬小ネタを挟もうと思ったけど、マジメそうな話だし、今回は止めとく。……うん、まあ意味はわかるけど唐突すぎじゃない? いや、もちろん行くよ、それが私の仕事だし。でも……いや、やっぱいいや。どうせ王女様が勝手に決めたんだろうし」
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