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「乗ったことあるわけねーだろ。そんな経験あったら今頃こんなに疲れてねーよ」
「アンタがいた世界って馬車が無かった訳?」
「テメーはさっきの話聞いてたのか? 俺たちが使ってたのは車、正確に言えば自動車っつー鉄の乗り物だ。そいつは馬車なんかよりよっぽどはえーし揺れもねえ。馬車なんて観光用みてーなのしかなかったわ」
俺がそう言うと、アミリアは目を輝かせて俺に詰め寄ってきた。
「アンタの世界って相当技術力が高いのね! 鉄の塊が人を乗せて馬よりも速く走るなんて考えられないわ。アンタの世界ではそれが一番速い乗り物だったの?」
なんかスゲー興味示してきたんだけど。え? なにこれ、答えなきゃいけない流れ?
「答えなさい。命令よ、亜希」
そう言ったアミリアの目は、ちょっとすごく怖かった。
「いや、車よりもはえーもんは他にもあるぞ。たぶん一番はえーのは戦闘機っつー空を飛ぶ乗り物だ。音よりも速く移動出来たりするぞ。でもそんなん俺たちは乗れなかったから……身近なやつで言ったら、そうだな……新幹線っていう列車が速かったな」
「空を飛ぶ乗り物!? そんなのがあるなんて信じられないわ……それに、音よりも速く移動出来るなんて……」
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