プロローグらしきもの

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そこで堪忍袋の緒が切れ、殺す気で火の魔法を放った。 当たったと思った瞬間、金髪金眼のゴスロリ少女が自分の火の魔法を消し去ったのだ! そして、あろうことかその少女は自分が呼び出した平民を「私が呼び出しはずなのに」と言うではないか。 そんなこんなで、アミリアは非常に機嫌が悪かった。 「私は地獄から派遣されたエリュシア・デ・ルート・イーマです。皆からはエルシィって呼ばれています」 「じ、地獄から……?」 そんな馬鹿な話があるのか? 地獄は空想上の存在で、宗教上の存在で、人間が作り出した妄想で……。 でも、さっき見たことのない力で自分の魔法を消したし……え? (地獄って、本当にあるの……?) 「馬鹿を言うな。そんな偽名感たっぷりの名前と設定を今すぐに忘却の彼方に追いやって本当のことを吐きやがれ」 そんな考えに行き着いていると、自分が召喚したはずの平民の女(切れ長の瞳で整った輪郭の美人)が金髪金眼の少女に悪態をついていた。 「あ、やっぱりばれた?」 (ばれたってことは……やっぱり嘘?) ということは、地獄もないのだろうか。 「でもでも、地獄から来たっていうのはホントだよ? 別に新地獄と旧地獄に別れてるとか、そんなんじゃないけどね」  
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