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私の学校の制服は黒だ。
セーラー服だけど、冬は黒い長袖、夏も黒い半袖。
十月に入り冬服に変わっても制服が真っ黒な侭だという事実に、私は安堵する。
今の私にピッタリだから。
もし制服が無くても、私は毎日黒い服を着たに違いないから。
夏から秋に変わっても、冬が来て春になっても。
私は黒い服を着続けていたいのだから。
この一カ月というもの、私は笑った事がない。
殆ど言葉も発していない。
口を開こうとする度、兄の死に顔が浮かんできて、居たたまれない気持ちになるからだ。
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