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まずは情報収集。
私はこの国を知らない。
自分の住んでいる地じゃないし、これ普通よね?
「で、解らないことは聞くことにしたの。」
朝。
今、私の居る場所はジグの部屋。私に与えられた地位を利用して勝手に入った。
「お前・・・」
「メイでいいわよ?」
食事中だった。
ついでに私もここで頂くことにする。
ジグが溜息ついてるのは無視ね。
あ、これ美味しい。
「それで何用だ?」
ジグは食事の手を止めて聞いてくる。
感情の読めない表情。
(美人よね~)
シミジミ思う。
「メイ?」
おおっと見とれるのは又にしよう。
「まずね、昨日の貴族は?」
「王族への侮辱罪として爵位を一つ下げた。」
「王族ねぇ。」
私の仮の身分よね?
「それにしては軽い罪状ね?」
「軽率な行動のみ、だからな。普段なら不問にするがみせしめに。」
「効果は在ったの?」
「まだ、わからぬ。」
昨日の今日だしね。
「それと、この城の大袈裟な守りは?」
ジグの眉がピクリと上がる。何か変なこと聞いたかしら??
「何も知らぬのだな。」
スイマセン。
「城の守りは魔術師10人で結界を張っている。」
10人とは凄い。
そんな中によく入り込めたわね私。
でも何故?
「世が狙われているからだ。」
温度が一気に下がった。
「私は違うわよ?」
「そうだな。」
あれ?
簡単に信じていいの??
「何故そのような間抜け面をする?」
「命狙われてるんでしょ?簡単に信じて大丈夫??」
呆れたジグの視線。
何よ?
一国の王として、ちょっと、どうかなって思っただけじゃない!
「根拠も無しに言い切るものじゃないわよ?信じてもらえるのは嬉しいけど。」
「お前は何処の世間知らずだ?」
むむ?
馬鹿にされてる?
「お前の事は調査済みだ。」
えぇっ??
「転移の魔法の起動をたどってお前が何処から来たのか知らべは付いている。近くの住人にお前の特長を延べ、お前が何者であるのかも確認済みだ。」
うえぇっっ!?
しっかりバレてるの?
「魔法の起動を消さぬ限り追跡は可能だ。・・・お前は魔女なのだな?」
目が物珍しい物を見るように私を見る。
私は、珍獣じゃないわよ?
まぁ珍しいのは解るけど。魔女は滅多に人前に姿を現さないしね。
それに数が少ないし。
私の前に生まれた魔女は100年前らしいわ?
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