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それにしても(しつこいようだか)此処は何処なんだろう?
「此処はオルハゲインだ。」
美人さんに物いいたげな視線を送ると私の疑問に答えてくれた。
「オルハゲイン?」
私は地図を頭に浮かべる。オルハゲインといえば湖に囲まれた美しい国。アメージングより海を渡った隣の大陸の国だったはず。勿論来たことはない。しかも海すら渡ったことないし。
「私ってば海を渡っちゃったの!?」
「ほう。大陸を越えて来たのか。益々興味深い。」
何やら美人さん私に興味深々ですよ~?
あ~嫌な予感。
「光栄に思え、世の身の回りの世話をさせよう。」
「お断りします。」
「お前に拒否権はない。」
そうですよね。
言ってみただけです。
「世はジブリング=エンバット。特別にジグと呼ぶことを許そう。」
イヤ、イヤ、イヤ、呼びたくないですよ?あ~ハイ、ハイ、私に拒否権はないですね。
ほれ、呼んでみろと態度に出さないでよ。
偉そうな態度が釈に障るのよね。実際、偉いんだけど。
「・・・ジグ。」
呼べば満足そうに頷く。
・・簡単に逃げれそうにないなぁ。
それにこの城の守り、普通じゃないし。
これでは容易に魔法も使えない。魔女の私にも魔法の制限がかかるんだから普通の魔法使いなんて術すら発動しないんじゃない?
私の森の魔法より強力なのよね。あ~森もこれくらい強化しないと。何かを媒介にすれば出来るかな?一人じゃ限界があるのだ。
「考えは纏まったか?」
頭上より呆れた声がする。私ってば美人さんの膝に乗ったまま、思想に耽ってたわ。
「ご・ごめんなさい~~。」
慌てて下に降りようと体を捻るがピクリともしない。見かけによらず意外と力がありますのね。
ん---って唸ってたら突然持ち上げられた。
美人さんは何の苦もなく私共々立ち上がったのだ。
ひゃーっっ
お姫様抱っこ!
私は美人さんの腕の中。
ドキドキだ。
立ち上がった美人さん何気に背も高い。私よりも高いよね勿論。
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