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「……ひ、光。驚かすの止めて。心臓に悪いから」
「ふふん。くノ一光ちゃんをなめるなよ? 人の背後をとり、抱き締めるなど朝飯前よ」
「いや、なめてないから」
黄楼鈴のクラスメートその一、白藤光の言葉を軽く受け流し、抱きつく光を引き摺りながら教室に入る。
と、そこで話し掛けてくる女子生徒が居た。朝の女子生徒、鈴のクラスメートその二、西坂夏奈だ。
「鈴っ。おっはよう」
「あ、夏奈。おはよう」
「朝さぁ、食パン落としてったでしょ。はい」
「えっ、ありが...二枚足りない」
「ごちそうさま」
「夏ー奈ーっ!」
「ぃよっ、龍樹」
三階廊下にて、青川龍樹は後ろから声を掛けられた。
龍樹が声のした方へと向くと、そこには白髪の男子生徒が、へらへらしながら歩いてきている。龍樹のクラスメート、白藤虎轍。
「ああ、虎轍。はよ」
「ぃんやぁ、朝一番で妬ける場面、見してくれてありがとぅ。彼女居ない歴イ・コ・オ・ル年齢のこの俺への当って付けかなぁ?」
その言葉に、龍樹は溜め息をつき、「くっだらねぇ」とこぼす。
「んな事して、俺に何の得がある? それにだ、恋人が居ないのは俺も同じなんだしよ」
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