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ついに俺が出てしまったな……。
封印する力を弱めすぎたな。
お前はもっと強くなれ。
俺の………『器』になるために………。
バサ!!!
綾人がベッドから起きた。
「何だ………今の夢……」
綾人は周りを見渡した。
「ここは………どこだ?…………まて。頭を整理しよう。………まず俺は夢幻城で戦って。それで………」
どうやら思い出せないようだ。
まぁ俺的には、そのほうがありがたいんだがな。
「くっ!一体何が起こったんだ!」
キィ
不意にドアが開いた。
「起きたのですか?」
知らない女の人が綾人に話しかけてきた。
ちなみに、結構美人だ。
「……あなたは?」
「私はメイといいます。あなたはこの里の森で倒れていたの。それを私が見つけてここまで運びました。」
「そうですか……。ありがとうございます!…………手当てまでしてくれて。」
「いえいえ。傷ついてる人を助けないほど悪女ではありません。」
女の人はニコッと笑った。
綾人は純粋にドキッとしてしまった。
まず、女の人を見たのは久しぶりだった。
「え、えっと………あ、俺以外に人が倒れていませんでしたか?」
「いえ、ほかには誰もいませんでしたよ。」
そうだろうな。あそこにいた全員、別々の場所にとばされたんだから。
「そう………ですか……。そういえば、ここはどこですか?」
「ここは『カラクリ』という里です。本来は隠れていてわからない場所です。はぐれの里とも言われてますね。」
「なら……夢幻城ってどの辺にありますか?」
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