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「ルクソール?」
「はい。そこに私の兄がいるのです。でも外は危険なので出れなかったのです……。」
綾人はニコッと笑った。
「いいですよ。俺も行くところのあてが無かったんで、ちょうどいいですし。」
するとメイもニパァと笑った。
「ありがとうございます!」
「それでルクソールにはどうやって?」
「ここから西にずっと歩いて、『カリア』を通ってその次の街なのですが………」
メイの言葉が途中で止まった。
「………?」
「まずは、ここから出れるかがわからないのです……。」
「え?」
「この里は入るのも出るのも難しいと言われていまして、女はすぐに出れるのですが、男は門番に力を試されるのです。」
「それなら大丈夫ですよ。俺は弱くはありませんから。」
そう。弱くは………な………。
「しかも、複雑なトラップが多く、かなりの体力を消費すると思います。」
「……まぁ何とかなりますよ!」
綾人はすごく気楽に考えた。
メイはクスッと笑った。
「そうですね。」
「じゃあ行きましょうか!」
「はい。」
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