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嘘……
ですよね……!?
晶くんがあたしを!?
ありえない……
てゆーか、認めたくない!!
あー!!何か麗香と気まずいなぁ……
でもはっきり断ったし……うん、大丈夫大丈夫!
その日わたしは、フラフラしながら家に帰った。
教室の近くまで来て、入るのをためらう。
やっぱしきまずいっつーの!……でも、やましいことはないしぃー……うん!表情に出さなきゃいいんだよ!
あたしは教室の扉を思いっきり開ける。
「みんなぁ~!おっはよぅ!!」
いつもより声を張り上げて教室に入る。
「瑠璃……」
あれ……何か重い雰囲気……
麗香の周りに何人か集まっている。
わたしは急いで麗香に近寄る。
「麗香……?どうしたの?」
麗香は下を向いて、髪で隠れてよくわからなかったが、泣いているようだった。
あたしは周りにいた女子に話を聞く。
「それがさぁ……うちらもよくわかんないんだよねぇ……来たときにはもう麗香も来てて、ずっとこんな感じ……」
「そっか……」
1つだけ思い当たることがある。
……昨日の晶くんの告白――
もしかしたら、バレてしまったのかもしれない。
こういうのって結構すぐ噂広まったりするし。
不安な気持ちでいると、麗香が小さく手招きしているのがわかった。
あたしはゆっくり顔を近づける。
「……から…………」
麗香は何かをしゃべったみたいだが、小さくてよく聞こえなかった。
「ん?麗香、もう1回言って……?」
「話したいことあるから……着いてきて……」
「うん……じゃいつものとこに行こっ」
あたしは麗香を支えながら、いつもの場所に向かった。
いつもの場所とは……女子更衣室のこと。
わたしたちはよくサボるとき、ここを利用するのだ。つい最近新しい更衣室ができ、ここの更衣室はあまり使われなくなったから、あまり人も来ないし、サボるのには最適なんだ。
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