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「麗香、大丈夫?」
「とりあえずもう泣きやんだよ。けど、今日はサボることにしたっ」
「そっか……明日ねっ」
「うん♪」
あたしは自分と麗香の鞄を持って、すぐに教室を出ようとする。
「白山!」
誰かに名前を呼ばれた。
誰だかわかっていたので、ため息をつきながら後ろを振り向く。
「何?晶くん……」
今いっっっちばん会いたくないやつ!
「あのさっ……」
「昨日のこと……」
「え……?」
「昨日のことでわたしに話があるんだったら、聞く気ないから。てか、そーじゃなくてもわたしに話しかけないで!」
いつもより冷たく言い放つ。
イライラしたっていうのもあるけど、本当に話す気になれなかった。
わたしは急いで女子更衣室に向かう。
「お邪魔しま~す……」
「あははっ♪誰もいないって言ったじゃん。そんなかしこまんなくたっていいよ♪あっ。わたしの部屋わかるでしょ?先向かってて」
「わかった!」
麗香の家には夏休み何回も行ったりしてて、結構慣れてる。
麗香の部屋に入り、適当に床に座る。
「瑠璃~!」
元気よく麗香が部屋に入ってくる。
「おまたせぇ~♪ジュース持ってきたよ♪瑠璃の好きなオレンジジュース!」
麗香はわたしの目の前に、コップとオレンジジュースが入ってる紙パックを置いた。
「ありがとぉ~♪」
「じゃんじゃん飲んでね!」
「何か居酒屋来たみた~いっ」
2人で笑い合う。
その後は麗香と他愛もない話をした。
ドラマとか俳優のこととか。
そしたらいつのまにか、麗香の愚痴話になっていた。
「なぁ~んか晶ってさ、どこかよそよそしいなっとは思ってたけどさ、まさか好きな人いるなんてっ!誰よりも多く晶と話してるつもりだったんだけどな……」
「麗香……」
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