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『ホッ』と、した僕は溜め息をつく代わりに、お母さんに聞こえないよう、ショロショロと肺の中の空気を細く長く吐き出していました。
そんな時――
「ごめんねぇ~。
子猿1号に急用が出来たから迎えに来たの。
君のお家はここから近いのかな?
もし、良ければお家まで車で送り届けるんだけど………
ど う す る? 」
ニッコリ微笑むお母さんを最短距離で正面から見た友達は、生まれたての小鹿の様に全身がガクガク震え出し、「アゥアゥアゥアゥ…」と不思議な呪文を唱えつつ最敬礼をした直後、200メートル先の自宅玄関まで瞬間移動していました。
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