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強面の男に囲まれて仕事している所為かクロナにも臆せずに喋りかけた。
「黙れ殺すぞ」
「お…ぅ…」
青年は自分の手で口を塞いだ。
しかし、再び喋り始めた。
「でも今日は剣を打つなんてスケジュールにないッスよ?」
首を傾げながらそう一言添えた。
「じゃあアイツは何をしている?」
「急用が入ったとか?」
「どちらにしろ俺の関係ない事だ」
そういいながらもクロナはコウゲンの後ろをジッと眺めた。
コウゲンが作業が終えたのは昼過ぎた後だった。
「ふぅ~」
「遅かったな」
「あ?時間かかるんだよ!ほら!」
コウゲンは頭に巻いていたタオルで汗を拭き、打ち終わった武器をクロナに渡した。
しかし、渡されたのは黒ずんだ刀…
武器として全く役に立たない物だった。
「なんだこの鉄屑は」
「最後はテメェが造れ。
武器として使えるようにテメェが魂を込めろ」
じゃあ分かったと言って造れるような物じゃない。
後ろで見ていたら尚更だ。
繊細な技術を要するのはクロナだって分かっている。
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