プロローグ

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「嫌だ!お父さん!!」 少女はオーウェル博士の事をお父さんと呼び泣き叫んだ。 しかしオーウェル博士は手を止めることなく機械を動かしていた。 何処に飛ぶか分からんが…今、ここで捕まるよりいい! そう決断し起動スイッチを押した。 するとカプセルの中は淡い緑に染まりその瞬間、少女は一瞬にして消えて居なくなった。 「生き延びろ。」 オーウェルは空っぽのカプセルを見つめそう願った。―――― ―――― 少女が出てきた場所はどこかの路地裏だった。 「…どこ?」 辺りを見渡しても見覚えない場所。 そこで自分は飛ばされたと自覚した。 これから一人で生きていくと思うと胸が張り裂けそうなほど痛くなりすすり泣き、か弱い声が路地裏だけに響いた。―――― ―――
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