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いつもと変わらない日だった。
隣に、はるかがいて俺が笑っていて…
何の変哲もない日々だったのに
俺たちは人生を狂わされた。
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「蓮華ーーっ今日、日本史の授業だよ!」
大きな声で俺に抱きついてきたのは親友の奏崎はるか。
「知ってるし、てか抱きつくな暑苦しい。」
しっしっと手をはるかに向けた。はるかは何か衝撃を受けたかのような表情をして俺を見つめた。
「ひどい!私の扱いかなり酷くない?!」
「……飴と鞭だよ」
「お前の場合は鞭と鞭だボケ!てか間を空けるなよ!」
なかなか煩い奴だろう。
これがなかなか図太い神経を持っているわけだが…
キーンコーンカーンコーン…
話しているうちに鐘がなり予鈴の知らせが校内に響いた。
「やばっ!時間だっ!」
じゃあねと手を振ったはるかを見送り俺は静かに目を閉じていった
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「…か……んか」
誰かが呼んでいる?
誰だ…俺は眠いんだ。
「早く…」
早くってなんだよ。
「お前が必要だ」
必要…?
俺は誰にも必要とされてなかった。
「…っ!やめろぉ!」
「おい!蓮華どうした?!」
呼吸を乱しながら目覚めて、声の主を見上げる。
「先生…?」
その先生は俺の事情を知ってる先生の一人である。
「また…あの夢を見たのか?」
俺はそれにゆっくり首を横に振った。
教室はしーんとなって、みんなの視線が俺に集中していた。
―――キモチワルイ
俺はガタッと席を立ち、
「保健室」
とだけ言って教室を出ていった。
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