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それから二週間。
もうミハルは覚えてないんだろうなー、俺だけが経験した誰にも話せないひと夏の体験ってことになっちゃうんだろうなー畜生、なんてことを考えながら絶賛夏休みに突入してだらけていた俺。
全裸になったって咎める人もいない。
さすがにカーテンは閉めてる。
開放的になった宝物が涼しい。
そういうときに限って来るのが来客ってやつだ。
ぴんぽーん、と可愛い音が俺に着衣を命じている。
はいはい今行きますよっと。
ここ最近で鍛え上げられた俺の早着衣スキルに驚くがいい。誰も見てないけどな。
そんなわけで人前に出られる格好になった俺は玄関のドアを開けた。
「藤原、衛さんでしょうか……」
そこには、俺の家にはそうそう来そうもないおばさんだった。
業者やセールスの類ではなく、普通の主婦っぽい感じの。
てか俺は藤原衛だけど、粉うことなく藤原衛だけど、ドアに貼りつけてある名前見りゃそんなこと誰だって分かるんですが。
「はあ、俺が藤原ですが……えっと、なんでしょう」
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