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するとおばさんは意を決したように、俺を見上げてきっぱりとこう言った。
「突然すいません。柳本と申します。ミハル、という名前に聞き覚えは……?」
「ミハル……っ!?」
Oh……俺は、夢を見ていたのか。
カブ子は言っていた。私は完全な幽霊だから変身できるんですYOって。
だがどうやらミハルもそうだったようだ。
ゴーストワールドは不思議がいっぱいだNE。
「そうか……うん、そうか。わかった。うん」
「あのー、それで。私はミハルの母なのですが」
「すいませんでした」
世界一綺麗なお辞儀をキメた俺。
お母さまでございましたか、これは失礼。
「あの、ゴミクズみたいな大学生の一人部屋ですが一応『入れますか』?」
どうぞ上がってくださいなんて口が裂けても言えねーよ。
幽霊とかカブトムシとかがひょっこり出てくる部屋だもんな。
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