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ところが、俺の気合はお母さんにゴッソリ削がれた。
「すぐ近くです。隣町の病院なんで」
近ッ!
覚悟や色々なものをゴッソリ削がれたが、よく考えればむしろ好都合なことじゃないか。
病院の住所と病室の番号と面会時間、それからミハルのフルネームなんかをメモに書いてもらう。
そして、男子大学生の巣と書いておれのへやと読む魔窟からお母さんは帰っていった。
ミハル……なんだ、お前すぐ近くにいたんじゃん。
柳本海晴、か。
夏っぽい爽やかな名前だ。夏生まれなのかな。
早速明日会いにいこう。
人間としてのミハルは、どんな子だろうか。
病院だから、盛り上がりすぎないようにしないとな。
ってあれ、お見舞いって何か持ってかなきゃいけないんだっけ。
あいつの好きだったアイスでも持ってけばいっか。いいよね、うん。
お見舞いとか初めてでよく分からないけど、大事なのは気持ちだと結論付けた。
言い訳じゃないもん!
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