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「まあなー。一か月も一緒に暮らしてたんだからそんくれー覚えるっつの」
「おねだりとかもしたもんねー。あ、そこかけて」
そう言いながら、ミハルはベッド脇の椅子を指さした。
とりあえず、言われたままそこに腰を降ろす。
「いやー、でもびっくりした。まさかこんなにすぐ来てくれるなんて思わなかったよぉ」
俺の部屋に居たころと全く変わらない、快活なミハルがそこにいる。
こうして見てると全然普通っていうか……元気そうに見えるんだけどな。
確かに色は白いし細いし、健康的かと聞かれたら別にそこまでそーでもないッスねと言いたくなる感じではあるんだけど。
「だってお前いきなり消えるしよー。こっちだって色々話したい事とか……」
って、なんだったっけ。
ミハルに会えたらそれが色々吹っ飛んじまったよ。
まいっか。
ところがミハルはちょっとだけ哀しそうな目をして、俺に縋るような声を投げかけてきた。
「うん……あたしも。あたし自身のことと、マモにぃのところにいた一カ月の記憶が一気に混ざって――色々、言わなくちゃって思ったんだ」
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