ひとり暮らしと、ふたり

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  そんな俺は今も全裸です。 だってまだ暑いんだもん。 暦の上では秋? 知るかよそんなん。 暑かったら夏なんだよ。今だって夏休みだしな。 んで、寒かったら冬なんだよ。……秋どこ? そんな季節論は置いておいて…… あの日からさらに鍛え上げられた早着衣スキルは、レベルで言うところの5ぐらいは上がったと思う。 人が来たってお待たせしないで即対応できる。 だから俺は平然と全裸で一人暮らしの砦の中、自由にいられるというわけだ。 で、こういうことを言うのは大抵フラグなんですよね。 ぴんぽーん……ほらきた。 ネットで買った漫画かなー、明日届くかと思ったら今日届きましたっていうのはamazonにはよくあること。 スキルレベル6くらいの早着衣を済ませ、印鑑を持って玄関のドアを開く。 「はーいぐぇらばっ!?」 「うわぁぁん! 久々マモにぃ会いたかったよぉぉっ!」 あのとき食らったのとは反対の方向から食らったボディブロー。 あのときと同じように感じた確かな衝撃と重みと、そして唯一の違い……体温。  
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