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本来ならば感動の再会その2になるはずなのだが、そいつに飛び付かれた衝撃でそのまま俺は後頭部を強打した。
あぁ……目の裏がチカっときた。
それからじゅわ~んって白くなって……やばい、落ちる。
「三途見えるかと思った」
「はー、ごめんね! ちょっと勉学面で色々逃げられないものが出てきちゃってさぁ、来るのが遅くなっちゃったよ」
「謝る部分軽すぎだろテメェ! 謝って欲しいのはそっちじゃねぇ! こっちは人生初のプチ気絶体験したんだぞ!?」
「えー、でも数秒で復活したから大したことないんだよぅ。あたしなんて一カ月だよ、一カ月」
不幸自慢して競い合う痛い子同士みたいなやりとりになってきた。
言うまでもないが、こいつはミハル(生身)である。
生身っていうとなんかエロいけど、小柄だし細身だし当然胸もない。
「ち、俺はお前よりは大人だから許してやる……勉学面、か。まぁ一カ月も寝てたんじゃそーなるわなー。ざまぁ!」
「うわ、酷っ! 最後の最後で本音が漏れ出してるよ!」
からかいを真に受けるミハルとのやりとりが心地いい。
あー、なんだかんだでこいつと喋ってるのは面白ぇんだな。
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