独り暮らしと同居人

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  「別に倒すのはいいんだけどよー、見えない敵はさすがに俺にもどうにもできねーよ?」 どこかで聞いたことがあるが、G様は紙一枚程度の隙間さえ通り抜ける事ができるらしい。 確実にもっと厚みがあると思うんだけど。 「あたしが見たのは台所のほうだけど……そっちに抜けて、物陰に入っちゃったからわかんない」 確かに掃除はあんまりしてないけど、それなりには綺麗にしているつもりだ。 まあ、朝に脱いだ寝巻きは脱ぎっぱなしなんだけどな。 それは置いておいて。いくらなんでも、物が何もないわけじゃない。 ミハルが指さした『そっち』は、たんすやら本棚がある壁際で物陰のユートピア。 「んー……お前、生きてるものの場所がわかるセンサー的な能力とかないわけ?」 「あるわけないじゃん……」 どうも幽霊というのは不便な生き物だ。いや死んでるか。 触れない出られないのデメリットばかりで増えたものがなにひとつないじゃないか。 「んじゃ出てきたら倒す方向で」 「う、うん……出て来なかったら一晩このままなの?」 「だってどうしようもねーじゃん……で、脱いでもいい?」 「脱ぎながら言わないでよぉっ!」  
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