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コンビニの中は涼しいから考えてなかったけど、この暑い中肉って結構キツイ。
でも買っちゃったもんだし、美味いから食うけど。
涼しい所でこれをあっためて食った方がもっと美味しいんだろうなーとか思ったけどその考えは頑張って追いやった。
ミハルはミハルでペットボトルを持ちながら、テレビを勝手につけている。
俺にはちっとも興味の持てないイケメン俳優が出ているドラマらしいが、ストーリーが陳腐すぎて見る気も起きない。
「てかよー、お前いつまでウチにいんの? 成仏するのが幽霊的には幸せなの?」
「んー……わかんない。迷惑?」
「いや慣れたし今更だけどさ……お前だって、家族とかいるだろ? そっちにいるべきなんじゃないのかなって。俺、他人じゃんよ」
ミハルがこの部屋に縛られる理由だけはいまだに分からない。
俺の台詞に傷ついたのか、それとも名前以外自分の事を思い出せないのが歯がゆいのか、しょんぼりしてしまった。
「ミハルが成仏したけりゃ坊さんくらい探してきてやるからさ。俺にはそんくらいしかできねーけど」
「うん……ありがと」
いざそうなった場合はどうしたらいいんだろう。
お寺に行って『我が家に少女の霊がいるので成仏させてください』とか頼めばやってくれんのかな。
いくらかかるんだろ。
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