-12月- DECEMBER

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――… 「いらっしゃいませ!」 とびきりの営業スマイルで 客に笑顔を向ける 「まじあの人かっこいい//」 「あたしここの常連なろうかな」 なんて声が聞こえるものの それはそれで嬉しいものだ。 「涼介くんが入ってきてから  この店売り上げ上昇中だよ」 店長が奥から出てきて 俺の肩をポンっと叩いた 「いやぁ…、  そんなことないですよー」 頭を掻いて照れて見せるが 実際、それは大当たり。 ここのコンビニの近くに スーパーが出来ちゃって、 皆そっちの方へ 行ってしまったみたい。 「ほら!店長はゆっくり  休んでてくださいよ!  後は俺がしますんで」 「ははは、ありがとな」 店長はそう笑うと また奥に行ってしまった 「…ふぅ」 店長は元々腰が悪くて 最近になって長時間 立っているのが辛くなったらしい 奥さんと二人でここを 経営していたらしいんだけど その奥さんも入院中で…。 「あの…?」 「あっ、すいません!…」 会計中だってこと忘れてた。 「あッ…」 頭を下げて 商品を手に持とうとしたら それは手からすり抜けて 見事、床に引っくり返った。 しかもその商品は ショートケーキで… あちゃ~… 何やってんだ俺!! _
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